モダンタイムズ　伊坂幸太郎

申し訳ございません
本日は学会出席のため、診療をお休みさせていだだきます
最近めっきり寒くなりましたね

こういう季節は家に引きこもりがちで、よく読書をしています

ここんとこ私が読んでいるのが、伊坂幸太郎の『モダンタイムズ』
随分はまっています
近未来の世界、主人公がコンピューターエンジニアの仕事の中から、様々な事件に巻き込まれ
管理、監視された社会の存在に気づくというストーリーです

背景に民衆の集合体の国家という大きな存在が一つの生き物みたいに自己防衛機能も持ち、逆に民衆を
操るようになっていくのだ　　なんて一世紀以上前から使い古されたテーマを持ち出して

陳腐だなあ　と思わせるけど、この小説の面白い所はテーマにあらず

キャラクター描写や展開の仕方でしょう。全編、全キャラクターにシニカルな雰囲気をまとい
とんでもない追い込まれた状況にかかわらず、笑いの心を忘れず、自分の状況を客観的に評価しつつ
追い込んだ張本人に皮肉や嫌みを繰り出す。全く先が読めない不気味な雰囲気に、前作『魔王』のキャラクターや、作者本人なのか井坂好太郎なる人物とがうまく絡み付いて伊坂節が炸裂

ところどころのシーンの中途半端な感じが、自分の想像力を膨らまさせるキャパとなって自分の想像が作者と同じなのか答え合わせをするように、どんどん読み進められます

一見流行的な小説書きと思わせておいて、流行的なのはキーワードだけで根本には江戸川乱歩やジョナサン・スウィフトのような近世の匂いを感じさせます

まあ　単純に面白いってことです≧(´▽｀)≦