薄毛の人のほうが、薄毛でない人より悪性の前立腺癌にかかりやすい。

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2014.09.30

診療で思うこと

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興味深い論文がありました。

Randomized controlled trial of early zoledronic acid in men with castration-sensitive prostate cancer and bone metastases: results of CALGB 90202 (alliance).

男性型禿頭(とくとう)症(薄毛)の男性は、悪性度の高いタイプの前立腺がんを発症するリスクが禿頭症でない人よりも高い――そんな新たな研究結果が出ました。

 男性型禿頭症は、額の生え際および後頭部の上側(頭頂部)から髪の後退が始まる。人によっては額の左右が後退し、中央部に髪が残ることもある。

 付随論説を執筆した米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)のCharles Ryan氏によると、「この種の禿頭症は、生涯にわたる皮膚へのテストステロン(男性ホルモン)曝露が累積した結果として発症する。テストステロン値は必ずしも問題ではなく、皮膚がホルモンを処理する能力が問題となる。プロペシアなどの脱毛治療薬はテストステロンの皮膚への影響を遮断するものだ」とRyan氏は説明している。一方、テストステロンには前立腺がんを促進する作用もあるという。

 今回の研究では、米国で1993~2001年に登録された4万人弱(登録時55~74歳)の男性について検討した。45歳時点での脱毛のレベルとタイプについて被験者に思い出してもらった結果、約18%が45歳時点で男性型禿頭症があったと回答した。2006~2008年の追跡期間中、1,100人を超える被験者が前立腺がんと診断され、このうち600人弱が高悪性度の前立腺がんであった。男性型禿頭症の人は、禿頭症でない男性に比べ、高悪性度の前立腺がんを発症する確率が39%高かった。悪性度の低い前立腺がんリスクの上昇はみられず、他のタイプの禿頭症と前立腺がんとの関連も認められなかった。

 ただし、今回の研究では男性型禿頭症と高悪性度の前立腺がんの間に関連が認められたが、因果関係が裏付けられたわけではない。また、本研究は45歳時点での脱毛について被験者の記憶だけに頼っており、正確でない可能性もある。被験者の89%が白人であるため、白人でない男性への影響は明らかにされていない。

 なお、医学界では禿頭症の有無にかかわらず、前立腺がんスクリーニングの全体的な価値について見解が分かれており、今回のデータは特定のスクリーニングプログラムを支持するものではないという。

 当面、医師はこのタイプの禿頭症の40代男性を注意してみるようRyan氏は勧めている。「将来的に、男性型禿頭症は前立腺がんのリスク評価にある程度利用でき、スクリーニングに関する医師と患者の話し合いに役立つ可能性がある」と、研究著者の1人である米国立がん研究所(NCI)のMichael Cook氏は述べている。

ケアネットより抜粋しました。
正直、因果関係はバイアスが多くてはっきりしていないと思いますが、気をつけて診ていく必要はあるようですね。

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