【研究レポート】脂肪層からたるみを制する──エンブレイスRFの可能性(写真あり)

【研究レポート】脂肪層からたるみを制する──エンブレイスRFの可能性(写真あり)

2025.05.28

モフィウス8

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美容外科において「たるみ」というテーマは非常に奥が深く、かつ多角的なアプローチが必要になります。皮膚、真皮、脂肪、筋膜——それぞれの層に対してどう働きかけていくかで、結果に大きな差が出るからです。

その中でも、脂肪層にフォーカスして“熱”で引き締めるという技術的革新を可能にしたのが、エンブレイスRF(Embrace RF)です。

この機械は、表面的な照射ではなく、カニューレ(細い管)を皮下に挿入し、内部から直接ラジオ波(RF)を照射するという点で、従来のRF機器とは一線を画します。

■ カニューレから脂肪層へ:内部から脂肪を溶解・収縮させる

エンブレイスRFの最大の特徴は、カニューレの先端からRF波を脂肪層に向かって直接流すことで、脂肪を“溶かす”のではなく、“収縮させる”点です。

このRF波はモノポーラでもバイポーラでもなく、皮下のカニューレと皮膚表面の外部電極の間にエネルギーを走らせる構造。まるで「脂肪を上下から箸で挟んで熱を通す」ようなイメージです。

このバランスが非常に優れていて、脂肪層に均一で高い熱エネルギーを与えることができ、脂肪の収縮と同時に皮膚のタイトニングも得られるという二重の効果が生まれます。

■ 熱制御の工夫:表皮側は40℃程度にとどめる

ただし、表皮側への熱が強すぎると火傷のリスクが高まるため、表層の温度は40℃程度にコントロールされており、安全設計がなされています。

ここで一つ注意点があります。

表皮のたるみや質感までは、この40℃という温度では正直、改善が十分とは言えません。

そこで有効なのが、モフィウス8との併用です。

モフィウス8は、最大で4mmのマイクロニードルRFを使い、表皮から真皮、脂肪層手前までを細かく焼き固めていくことができます。

エンブレイスRFが脂肪層以下、モフィウス8が表層——この2つを組み合わせることで、肌全層のたるみ対策が実現できるのです。

■ 日々の臨床でわかってきたこと

私は現在、エンブレイスRFを使用する際、自分がこれまで脂肪吸引でアプローチしてきた層と重ねながら、その熱の入り方や変化の出方を徹底的に観察・記録しています。

トン先生のハンズオンで学んだように、脂肪層の厚みや張力によって、どのくらい熱を加えれば効果的か/逆に過剰かといった部分はかなり個人差があり、まだまだ探究の余地があります。

ただ一つ言えるのは、適切な層に適切な温度でエネルギーを入れれば、切らなくても十分に脂肪が引き締まり、輪郭が変わるということ。

これは、従来の「脂肪をただ吸引する」という概念を一段階進化させた技術であり、“切らない脂肪吸引”と表現しても過言ではありません。

この緑の器具がエンブレイスRFのフェイスタイトです

■ カニューレ孔を縫合しなくても閉じる利点

施術時にカニューレを挿入する小さな穴は、基本的には縫合なしでも自然に閉じていきます。

これも患者さんにとっては大きなメリットで、ダウンタイムや傷跡の心配が軽減されます。

ただし、やはりこの機器は“皮下操作”が前提にあるため、脂肪吸引の経験や解剖学的理解を持った医師でなければ、扱うのは難しいのが実際です。

■ 究極のコンビネーション:脂肪吸引+エンブレイスRF+アルテミス+モフィウス8

個人的には、脂肪吸引によってボリュームをしっかり除去した後に、エンブレイスRFで残った脂肪の収縮を狙う。

さらにアルテミスリフトで靭帯レベルのリフトアップを加え、表層をモフィウス8で整える。

この「4段階アプローチ」が、現時点で最もたるみに強く、形状の変化と肌質改善を同時に狙えるコンビネーションだと考えています。

正直、費用は決して安くありません。

しかしながら、それ以上に「顔が変わる」「印象が変わる」「たるみの重力から解放される」感覚を得られる方が多く、“投資に見合う変化”がしっかり出せるのがこの施術群の強みです。

■ 最後に

美容医療は常に進化しています。そしてその進化は、“深さ”と“繊細さ”を兼ね備えた技術に向かっています。

エンブレイスRFは、その代表とも言える存在です。

これからも、さらに深く研究と臨床を重ね、「切らない若返り治療=小顔管理」の精度を高めていきたいと思います。

たるみ治療に真剣に向き合いたい方にこそ、ぜひ知っていただきたい一台です。

。かなり薄くなりました。もちろん脂肪を多少残していないと不自然になりますからね、そこは塩梅が大切です

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