Dr倫太郎かあ

Dr倫太郎かあ

2015.04.20

診療で思うこと

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半沢直樹よりリーガルハイが好きな私、当然Dr倫太郎も見ました。

豪華俳優陣、映画のような映像に楽しませてもらいました、が、堺雅人が完全善人だとちょっと物足りないですね。

堺雅人の出す奇妙な雰囲気には憎めない悪者が良く合う、、、「クヒオ大佐」は最高でした。

ドラマとしてこれからどうなるかわかりませんが、精神科と心療内科について考えさせられます。

Dr倫太郎の範囲は心療内科であり精神分析が治療の主軸のようです。確かに精神分析は日本でやっている先生はとても少ないですね、私は精神分析の先生と一度お会いしたことがありますが、普通の会話の中でも自分の精神状態や本質を探られている、というか気付かされるようで不思議な体験でした。
アメリカで師匠に付いて自分が精神分析を受けながら数年修行して免許皆伝をもらうようです、実にマニアックな世界ですね〜

Dr倫太郎は鬱状態の女性の自殺を止めますが、その際重度のウツと診断し、最終的に会話し寄り添いながら治療しちゃいます。しかし重度の本物のウツはあんなちょこっと話しただけで治療にはならないようい思います、、、、
むしろ軽度のうつ症状でしょう、あれは、、、自殺も実際飛び降りそうになかったし。

最近、精神科と心療内科と名称が分けれれているのは精神科にはもう話せば何とかなるような状態ではない疾患を扱いますが、その境界線上もしくはごく軽度の支障の場合は心療内科の範囲になります。
精神科という名称に恐ろしさを感じ、ちょっとした不眠や不安で通うことに抵抗がありますが心療内科なら軽いイメージですからね。

精神科の治療の主軸は症状に対する薬物療法です。心に寄り添うかどうかはその先生のやり方にもよりますが、あまり患者に踏み込まないほうが良い結果を生む場合もありますし、Dr倫太郎は恋愛感情を否定しませんでしたが、その行き違いで患者から深い恨みを持たれる可能性、事件化する可能性を考えると私にもとてもああは言えません。

例えば捻挫は安静にしたり生活指導で治りますよね、でも粉砕骨折はギブスで固定したり手術したりしないとどうにもなりませんよね。つまりは精神疾患もそうですよ、ちょっとくらいの不安症ならともかく、統合失調症や重度のウツにはそれなりのアクティブな治療でやっていかないといけません、ウツとは心の骨折です、という言葉があるくらいですから。

Dr倫太郎は『疾患ではありません、個性です』と言いますが、それは境界型までの話で私は『疾患ですが、本質は心の過敏性だ』と思います。疾患のレベルだとちょっとした音、言葉、行動に反応しやすくなり、幻聴、幻覚をみることもあります。下手に会話することでプレッシャーをかけて良くない結果になることもあるし、また薬物治療で、うまくすれば日常生活を過ごせるようになります。

ゆえにDr倫太郎のライバル?の教授が検査画像ばかりみて患者の話をまともに聞かないってのも一見雰囲気は良くないかもしれませんが一つの治療スタイルとしてあるわけです。二人は医学的立場の違いから喧嘩になりますが、実際は単純に相性が悪いだけの心の問題ってところはなかなかよくドラマとしてできていますね。

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