「さや侍」観ました。ネタバレ含まず

「さや侍」観ました。ネタバレ含まず

2011.07.06

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松本人志第3作目の映画「さや侍」を鑑賞してきました。

刀の持たない侍が、牢屋に入れられ「三十日の業」に挑むストーリー。
三十日の間に殿様の息子を笑わせたら無罪になり、笑わせられなかったら切腹になるという極限状態の中で娘と看守と共に芸を試行錯誤するハートフルコメディ。

さや侍っていうネーミングも頭に入りやすいし、ストーリーの骨子もいい。のでかなり期待して鑑賞したのですが少々期待が大きすぎたようです。

良い点は一杯ありました。
しっかりした時代劇だし、キャストもぴったり。
子役の女の子の演技の上手い事上手い事、素人目ですが。

全体的には、3作目のせいか非常にまともな映画になっています。

とはいえ松本人志っぽい独創性もあります。
素人のおっさんを主役にしたアイデア、これは素晴らしかった。
滑稽な演技は、プロ俳優にはできないレベルで可笑しかったし、顔つき、歯並び、身体つきはロバートデニーロでもそこまでなりきれないと思う。
ベストキャスティングは時に名優を超えるというが、主役の人を決めてそれに当てはめて映画を作ったという感じだった。実際そうなんだろうし。

しかし2時間ある映画としては物足りないところが多かった。
主人公の背景や考え方、行動心理の描写があまりにも少なくて、前半は楽しめたけど見終わってからは納得できないところが色々見えてきて、期待していた分もあって、どうしてもガッカリ感がありました。

シンプルなストーリーなんだから、もっと色んなシーンを盛り込んで観客を引き込むことができたんじゃないだろうか。 そんなふうに思いました。
主役の何考えているのかわからない、っていう部分に面白味を感じさせようとしていたんではないかと思いますが、あそこまで情報が少ないと観客として感情移入できないです。

面白い映画、ドラマ、ストーリーというのは、登場人物の感情の流れのアップダウンが必要で、
悲しんだり、楽しんだり、挫折したり、勝ち上がったり、とそういう山谷があると観ていて感情が揺さぶられるし、入り込める。

この映画はずーと直線だった。主人公がどんな感情を抱いているのかわからないし、わからせようとしたり考えさせるシーンが皆無だったので、正直後半は退屈でした。
(私の見方がおかしいのかもしれませんが)

「松本人志が作る映画」には、やっぱり常人の理解を超えた何かを観たいという期待がどうしてもつきまとう。
普通に面白い映画は一杯あるわけだし、わざわざ芸人が監督した映画を見るってのは、ある種の外しを望んでしまう。
そういう意味では「しんぼる」のほうが好きだったなあ。

たけし映画が本当に凄いだということ、松本人志監督にはまだまだ期待しているということで。

あとは宮崎悟郎の「ココリコの坂」が注目ですね

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