ファクトリーガールと華原朋美と薬物中毒 | 東京ロイヤルクリニック

ファクトリーガールと華原朋美と薬物中毒

2009.01.21

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ファクトリーガールという映画を観ました。
以下ネタバレ含みますが。
イーディー・セドウィックというモデルの転落人生を描いた作品で、実際の話を映画にしただけあってとっても怖い。
ストーリーは割と単純なのですが、セレブ出身のイーディーがNYでアンディーウォーホルと出会い、彼のアトリエ、通称ファクトリーに通うようになります。彼の映画に出たりすることで有名人となり、アンディとの友情を深めますが同時にボブ・デュランと出会い激しい恋に落ちる。二人の板挟みになりボブとの恋は終わりを告げますが、同時にアンディーからも絶交されることになり孤独となるのだった。
ファクトリーでド派手に遊んだため、仕事がなくなってもその生活が忘れられず実家の遺産も使い果たし、ドラック依存も止まらずどんどん貧乏になり親にも見限られ精神病院に収容、最後には退院して再びドラックに手を出し過剰摂取で死亡してしまうのだった。
死んだ時の年齢は28歳、まさに波瀾万丈の人生で今まで存在を知らなかったのが不思議な位です。

アンディ・ウォーホルはマドンナのシルクスクリーンで有名なアートの巨匠です。アートの歴史から言っても相当にセンセーショナルな存在です。1960年代、アートの中心はアメリカ。今までのアートとはゴッホやセザンヌ、ジャクソンボロックなど自分が筆で描いた絵がアートでした。そんな中イラストレーションの世界出身のアンディは有名人の写真をシルクスクリーンにしたり、事故写真を色違いで並べたり大量生産し、描くモチーフもキャンベルスープの缶、ドル紙幣など大量生産品ばかり。まず自分で描くことなく大量生産はするわ、描くものも陳腐なもの、構図も何もない。
当時のアートファンからしたら、それってイラストと何が違うのか、アートじゃないだろって批判もあった。しかしファクトリーガールにもあるようにこれは「工業製品のジョーク化」なのです。当時のアメリカ文化は大量生産大量消費のまっただ中、皆同じコカコーラを飲みマクドナルドでハンバーガーを食べ公園でジョギングする、女優やモデルなどの芸能人のうつり変わりも激しくどんどん発展していくところでした。
そんな熱気に一歩ひいたところからの皮肉を表現したアンディーウォーホール。
今までは描いた絵自体がアートだったのが、製作したモノの製作した理由がアートということになってしまった。製作したものが絵でなくていい、実際製作する人がアーティスト本人でなくていい(アンディーは部下にシルクスクリーンを作らせていました)っていう何でもアリのバーリ・トゥードです。
これって相当画期的なことで今の現代アートが総合格闘技のような状態になった原因のようなものです。
一方ボブディランは言うまでもないフォークの神様、音楽とはオリジナリティーの固まりであり、一見大量生産アートと揶揄されるアンディー(本当は大量生産を皮肉っただけなのに)をゲス野郎と思うのは当然の中の当然。そんな二人のミューズになったインディーの人間性はメチャクチャなのになんだか愛嬌一杯です。ボブを選びきれないインディーがインディーたる所以なのか、結局別れてしまう。アンディーはゲイと言われていてインディーとも体の関係はないのですが、おそらくゲイというより男性性機能障害だったのでしょう。当院でバイアグラを処方されるべき存在だったのではないでしょうか。男性としてのコンプレックスからボブと仲良くなったインディーを許せなくなってしまった。流れるように関係の終わり方が描かれていて全く飽きませんでした。
男に捨てられ、そしてド派手な生活からの転落、そして遊んでいた時代からの薬物中毒。
そう、小室哲哉との愛が終わってからの華原朋美とかぶります。
詳しいことはよく知りませんが、もの凄い大金持ちなセレブ生活が終わり、生活レベルを落とすのはえらく大変でしょう。華原朋美の薬物中毒の話も有名で某病院の救急によく訪れるということも聞きます、確認はしたことありませんがあくまで噂で。私も近くのコンビニで以前見かけた事がありかなり顔色が悪かったことが印象深かったです。
そんなことを思っていたら、「華原朋美、錦糸町で薬物中毒で病院搬送」のニュースが流れました。悲しいことです。小室哲哉逮捕のニュースの際、華原朋美のマンションに突撃取材がありましたがそのマンションはオートロックもない築も相当古びれたマンションでした。
いわゆる覚せい剤や、メチルフェ二デート、コカイン、MDMAといった中枢刺激薬というのは強い依存性があります。私も多くの患者を診てきました。これは非常に恐ろしいものです。
というのは、最初は気持ちのよくなる欲求で開始します。初期は、眠らなくても動き続ける、常に気持ちいい状態、明るい自分、いい事尽くめです。しかし、繰り返して行くごとに薬のない状態が鬱のような嫌な気分になっていき薬を飲むと普通位の気持ちになる。こうなるともう止まりません。どんどん服用量が増えて病院にお世話になるのです。自分ならコントロールできるなんて有り得ません。誰もコントロールできることはないのです。特に華原朋美の状態では薬の切れた状態で現実に直面すると仕事のない自分、古いマンションに暮らす自分、と色々辛いことに目を向けねばなりません。今までの経過からするととても耐えられないのでしょう。しかし才能豊かで人脈もあるわけで、ド派手な生活せずにも楽しい暮らしがあることに気づいてくれればよいのですが。気づいてもなお辛い治療をしなければならない、心ながらに応援しています。
まあ、結構想像で語っているだけなので本当のところはわからないのですがね。

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