飯田佳織さんの息子さんにご冥福お祈り致します。

http://www.nikkansports.com/entertainment/news/p-et-tp0-20081129-434640.html
元モーニング娘の飯田佳織さんの息子さんが生後６ヶ月で腎不全によりお亡くなりになったニュースを拝見したとき、モーニング娘のファンではないのですが昔から存在は知っていたのでとても悲しい思いにとらわれました。
私もかつて、かけがいのないものを無くした経験があります。
その時の気分はとても言葉にできることではありません。失った瞬間、ジェットコースターの下り坂の時のような体が堕ち内蔵が上に押し上げられる感覚がしました。腰から力が無くなり、一歩前に踏み出そうとしても足が重く、おぼつかない。現状を認識しようにも認識できず、繰り返し繰り返し同じ質問を自分自身に投げかけていました。
どうすればよかったのだろう、と。何度も何度も夢にでます。
そして何が一番つらいのか、それは残されてしまった自分は一生無くしたままで生きていかないといけないんだということです。無くす前の自分には戻れない、傷を背負っていかなければならないのです。
朝起きる　仕事行く　トイレ行く　家に帰る　寝る、この日常生活の所々で一人になります。そのときにふっと、もの凄い孤独感に囚われます。この深い悲しみを受ける自分の心の大きさは有限で、とても受けきれない。誰もシェアしてくれない。　非常に孤独。
部屋でじっとしていることができず、何か料理しようかと冷蔵庫を開け、何も食材がなかったことを思い出し閉める。しばらくするとまた料理しようと冷蔵庫を開ける、その繰り返し。
落ち着きが無く、テレビのリモコンがうまく作動しないのでイライラしてぶん投げることもしばしば。
外の人々が明るく爽やかに謳歌しているのを見ると、心に冷えた想いが刺し込んでくる。
孤独孤独孤独の毎日
立ち直るのに時間がかかったし、実際立ち直ったというより精神に瘢痕のような傷になって残った感じでした。

以来、とても涙もろくなってしまいました。
映画「ウォーリー」のCMですら危ないです。
７００年間ひとりぼっち、とかもう危ないです、泣いてしまいます。
なんで泣いてしまうのか。それは想像力の強さです。
その状況を強く想像し、過去の悲しみとリンクして泣いてしまうのです。
最近の引きずり交通事故、江東区女性殺害事件、闇ネット殺人、、、といったあまりにも酷い事件が絶ちません。この犯人達には想像力はないのでしょうか。自分が行ったことによって遺族がどんな気持ちになるのか少しでも想像できたらこんな事件を起こさなかったでしょうに。それともそれでも自分がお金を手に入れたりしていい想いがしたかったのでしょうか。
今までに私は病院で多くの患者様を看取ってきました。看取りの際、ご家族と共にして長寿をなされた例もあれば、ご家族の予想だにしなかった転帰をたどった例もありました。
昔、喘息の患者様がお亡くなりになりました。実は喘息という疾患は病院で内服などできちんとコントロールする必要があるのです。発作が起きてから夜間の救急に駆け込む患者様が多く、医師の管理下になく発作が起きてからいけばいいや、と考えるのも無理はありません。しかしあんまり頻回に発作を起こしている場合は要注意です。内服治療を怠ると、ある日喘息重責発作が起き窒息して死亡することがあるのです。その患者様もかかりつけ医がなくいつも救急で吸入治療されていた方でした。
救急車で運び込まれたときにはもう手の施しようの無い状態でした。
突然の死に患者様の遺族は全く事実を受け止めきれていませんでした。本当に亡くなったのか、じゃあ　次は自分はどうすればいいのか、何をどうしたらいいのか。待ち合い室でうろうろしている姿を私は忘れることができません。
取り留めなく思ったことを書き連ねてしまいましたが、私が言いたいことは、人は孤独ではあるが孤独ゆえに他人に思いやりを持っていきたいものだ、そしてそれには想像力が必要で、想像力の欠けた人が世間にはとても多いんじゃないかという説教じみたことでした！
終わり！