脂肪腫という大きく柔らかいシコリ

シコリに気づいたら早めに医療機関に相談しましょう。

今回のは２、３年間かけてゆっくり大きくなったシコリの相談です。触診では『脂肪腫』を疑いました。

脂肪腫とは脂肪細胞が成熟して大きくなってくるもので外来で最もよく見る良性腫瘍の一つです。

ただ脂肪肉腫という悪性腫瘍の可能性もごくごくマレにありますのでMRIで確認するのが基本です。今回もMRIで確認し脂肪腫で筋膜上にあることがわかりました。

自然治癒はしないので切除するしかありません。切除する時には、腫瘍の深さを事前に知りたいところなのでMRI画像はとても便利です。

まずはデザイン。腫瘍の真ん中のあたりに皮膚の切開線を書きます。皮膚のスジに沿って切らないと傷口がキレイにならないので切開線を描くのも慎重です。

この先は手術画像なので苦手な方は見ないようにお願いいたします！

まずは局所麻酔注射をおこないます、注入することで脂肪腫の被膜の外側を膨らませて剥離しやすいようにします。ちょっとしたコツですね 😛 

それから皮膚を切開して

慎重に脂肪腫を取り出します。被膜を破らず丁寧に丁寧に剥離します。

茎の部分もざっくり切らずに腫瘍を見定めて剥離して、切除しました。

皮膚腫瘍は、その直径分を切開するのが取りやすいのですが、やはり体の負担や見た目からも傷は短いに限りますので、、、、直径の半分くらいで取りました。

まあこれくらいなら頑張った方ではないかなって思います 😮 

大きめな腫瘍なので、取り除いた部分に大きな隙間ができてしまいます。なので止血操作はしつこいくらいやりました。

そうでないと後からじわじわ出血してきてかたまって血腫というものができてしまいます。

丁寧に縫合して終了。止血がしっかりしてたのでドレーンという血抜きの管は入れませんでした。

病理検査結果も脂肪腫。きちんと取り切れたようです。

脂肪腫は放置するとかなり大きくなるので小さいうちに切除するべきです。まあ、、、でも病院にくるのは怖いですよね、、、、

切らないと治りませんよ！と手術を迫られるのでは、、、と躊躇するのも重々わかります。

 

いきなり切ることはしません、丁寧に説明して経過を見つつ準備の上で日帰り手術をしていきます。

しっかり麻酔して痛みのないように素早く確実な手技で手術しますのでご安心ください。

しこり取りは私のライフワークなので一つ一つ丁寧に症例を積んでいきたいと思います。

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